2004 NZ遠征記 願いは夕方突然に!
8月3日 夕方、私はパソコンデスクに向かっていつもの作業をしていた。 急がねばならない、今夜はジェーンと外食の予定がある。 『ジェーンはパーティーに出れないから代わりに食事でもしようか?』 と誘ったのは2日ほど前のことである。もちろん他のキャンパーも誘い、ともちゃんとお蝶婦人が同席する事になった。 ジェーンは明日帰国する。 ≪他のキャンプが短縮されたから≫という、至って消極的な理由で参加してきたジェーンであったが、私と竜太郎の必死の努力により、いわゆる基礎系の呪縛から解き放たれつつある。しかし完全に解き放つには2週間という参加期間は短すぎた感がある。思えばあっという間の2週間であった。 そんな事に思いをめぐらせていると、ジェーンが『お話があるのですが』と言ってきた。 『私やっぱり残りたいんです・・・』 (あぁ・・いつも食事を一緒に作っていた同室の仲間と最後の晩餐をしたいんだな。。。) と、私は思った。。。てっきり食事の誘いを断ってきたのだと勘違いしたのだ。 『滞在延長したいのですが大丈夫ですか?』 えっ???!!! (延長は歓迎だけど、いくらなんでも明日の今日だぞ!) 『もっ、もちろんGSSとしては問題ないよ。宿も車もオッケー!。。。だけど航空券変更できるの?』 (注:ジェーンはワナカで開催された別のキャンプに参加してからGSSキャンプに合流している。従って航空券の種類までは弊社は把握していない。日程のみ知っている状態だ) 『いえ、わかりません。それが問題ですよね。。。』 (おい、今わからないって言ったのか???わからないって今夕方だぞ!あと15分ぐらいで航空会社閉まっちゃうぞー!!何のんきなこと言ってるんだこのお姉さんは!!!) 『じゃあ、急いで電話して聞いてみようね』(内心はともかく、あくまでジェントルマンな私) まずはジェーンが旅行会社に電話してみたが、案の定変更はできないとの返答であった。 当然といえば当然。だってFIX28日間チケットで、しかも期限一杯なんですから!! 続いて私がニュージーランド航空に電話してみた。 以下は英語でのやり取りである。 私:『私の友人が、予約を変更したいのですが。』 オペレーター:『それでは、現在の予約便名とスケジュールを教えてください。』 私:『あの〜明日のフライトなんですが、変更できますか?』 オ:『ご希望日はいつですか?』 私:『8月17日です。』 オ:『その日でしたら空席はございますが、チケットの種類によって変更が有料の場合がありますので、明日クライストチャーチ空港か市内のオフィスにチケットを持ってお越しください。』 私:『って言うことは、変更が無料か有料かは別として、とにかく変更可能なのですね?』 オ:『はい、そうです。』 ほんとに?マジ?日本だったら、いやNZでもJALだったら絶対無理だぞ!でも変更できるとクレア(オペレーターの名前)が断言しているのだから、とにかく明日行ってみよう。 |
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オフィス前にて健闘を誓うジェーン |
8月4日 と言うわけで翌日、クライストチャーチ市内のニュージーランド航空オフィ スにジェーンを連れて私はやってきた。 ここに至る前に、様々な事態を想定して我々は戦略を練った。 1、背水の陣作戦 すべての荷物をメスベンに残し=帰国できない状況に自らを追い込み、 クレアが変更できると断言したことを楯に、たとえオフィスで変更できない チケットだと言われても食い下がる作戦。『今更変更できないと言われて も、荷物が無いから帰れない』という感じで、怒ったり泣いたりして相手の 情にも訴える。変更できる可能性は大だが、負けた場合身一つで帰国し なければならない危険な賭け。 2、擬似背水の陣作戦 一応荷物はパッキングし、車に積んでいくものの、心は背水の陣で挑む。 結局安全策をジェーンは選択した。 賢明な選択だが、一応荷物を持ってきているという事実が、彼女の決意 を鈍らせねば良いが・・・おっとりしているだけにかなり不安である。 |
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オフィスのカウンター:戦闘開始? |
最後にもう一度ジェーンに絶対引くなよとはっぱをかけて、カウンターへ 送り出す。 いよいよ決戦の時 |
店内の大型模型 |
いつ、この機体に乗ることになるかは、今日の結果次第だ。 ジェーン食い下がれ! 負けるなジェーン! 『ジェーン!カムバァーック!!』 などと、一人心の中で盛り上がっていたら、あっさりと 『オーケェイ、25ダラーズ』 ん?たった25ドルで変更してくれるってこと? やったー!! 勝った、戦ってないけど勝った! じゃあついでにオークランドに泊まらなくてすむ日程に変更してもらえない かな? と言うわけで聞いてみるとそれもあっさりオッケー。。。 |
模型に近づくジェーン |
ビバ、ニュージーランド航空! 『ジェーン、その模型にありがとうのチュ―をしなさい』 (普段はこの手のことにはのりが悪いジェーンだが、さすがに上機嫌なの かチュ―する気だ) おっ、いいぞジェーン。。。 |
ジェーン的限界点 |
『ちがーう!もっと近づいて、ちゅぅぅーーーだってば!』 何やってるんだろう?という職員の目線を無視して私の演技指導に熱が 入る。 『そう!そこで唇をタコのように、ちゅうーって突き出して!』 1秒 2秒 3秒 しかしこれがジェーンの限界であった。 ・・・ダメだよジェーン。それじゃ女優になれないぞ・・・ |